『イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密』映画のあらすじと感想|衝撃の実話!!60年前にこの発想とは・・

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『イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密』ってどんな映画なの?

ドイツの暗号機エニグマを解読した経緯と謎に迫る『イミテーション・ゲーム』は、2015年に公開された「泣けるミステリー」としてトロント国際映画祭で「観客賞」を受賞!
時は、第二次世界大戦下、窮地に立つイギリスを救うために、不可能と言われたナチスのエニグマの解読に取り組んだ数学者、アラン・チューリングを描く実話である。
60年も前に、今の「コンピューター」に結びつくアイディアを持っていたとは、衝撃だった。
この作品には、社会での差別・偏見などの時代背景も映し出されている。
では、その解読の経緯やアランの心情、そして戦争との苦悩を描いた作品のあらすじ・ネタバレを紹介していきましょう

映画『イミテーション・ゲーム』のポイント

  • エニグマの解読方法
  • スパイ疑惑のある人物とは?
  • アランは本当に冷酷な人間か?

 

1.『イミテーション・ゲーム』おまかなあらすじ

ドイツ軍の空襲が迫る1939年のイギリスにて数学者のアラン・チューリング教授はエニグマの解読に志願し、無線機器製造所にてデニストン中佐に集められた他のメンバーと詳細を聞くことに…ドイツのエニグマ暗号機の解読が戦争終結のカギとなり、深夜0時に設定が変わる暗号は2000万年かかる設定を試さないといけないと分かります。

 

メンバーは各々、解読のための計算に努めますがアランは「機械に対抗するのは機械だ」と言い切って一人で設計を始めるのでした。他の者とも折り合いが悪くなる中、アランは中佐の上官にあたるMI-6のウィンストン・チャーチルに直談判し、彼がチームの責任者になります。能力の低い者を切り捨て、新たに人手を増やすためにクロスワードパズルを新聞に掲載するのでした。その問題を10分以内に解けた者を対象に6分のテストを開始。ジョーン・クラークが最速で終え、もう一人の採用が決まります。

アランはクラークに一目置いており彼女から「本気でパズルを解きたいなら、みんなの協力が必要」と言われてメンバーを気遣うようになります。関係は順調でしたがエニグマに対抗する「クリストファー」と名付けられた機械は解読がうまくいかず…そんな折、クラークが女性としての世間体があるため両親に家に戻るよう言われます。そこでアランはクラークに結婚すれば世間体も良いだろうと言って婚約をし、酒場で仲間達と共に祝うのでした。そんな折、クラークの友人が無線を傍受する業務について話しているのを聞き、そこからヒントを得てクリストファーを完成させます。

 

ドイツの動きが分かるようになり、「ウルトラ」と名付けられた作戦は秘密裏に動き始めたのですが、アランは仲間のケアンクロスがソ連の裏切り者だと知ってしまいます。チャーチルに報告に行くと、わざと泳がせて情報を得ているといい、その情報網の広さからアランが同性愛者だと知っていたのでした。アランは秘密をクラークに打ち明ける決意をし、罪で捕まる可能性もあったことから彼女を遠ざけるために冷たい言葉も投げかけて別れるのでした。

 

その後アランは孤独な2年を経て戦争は終結。しかし、同性愛の罪が発覚して逮捕されそうになったため、ホルモン投与の治療を受けることにします。1954年、アランは41歳で自らの命を断ちました…。

 

2.『イミテーション・ゲーム』ネタバレ・解説、役者の感想

 

・エニグマの解読について

アランが発明した電気的頭脳、つまりデジタル計算機の解読器にはエニグマの暗号を解くために必要なワードがありました。それは、ドイツの通信部が発信する作戦とは無関係な文に対して、確実に含まれている言葉の中でも「天気、ハイル、ヒトラー」を別の言葉に変換することで、作戦に関わる文章になったのです。そうしてドイツ軍がいつ、どこで、何をするかが分かるようになりました。このワードのヒントは、酒場でクラークの友人がドイツの通信部を傍受した際に、特定の人物が一定のワードを使うことで得られたのです。

 

・戦争の終結までのアランの苦悩

ドイツとの戦争を2年は早めたとも言われている「クリストファー」ですが、敵の暗号を解読したからといって全ての者を助けることはできませんでした。それはドイツに気付かれれば暗号のためのワードが変えられ、また振り出しに戻ってしまうから…そのため、「助けても解読したと察知されない敵の攻撃」のみ知らせるようにしたのです。アランは仲間の一人が家族を失いそうになるという場に立ち会ったりし、苦悩の表情を浮かべていました。

 

・クリストファーとは?

アランは子供の頃、学校でイジメの対象になっていた際にクリストファーという少年に助けられ、そこからいつも一緒でした。次第に彼が好きになる中、クリストファーが結核で死んだと聞いた彼は「彼のことをそんなに知らない」と話し、泣くことはしなかったのです。

しかし、ラストのシーンで治療を受けていた際に「同性愛の罪で捕まれば、今作っているクリストファーも没収されてしまう」と考え、独りは嫌だと涙を流すのでした。冷酷な決断をしたり、人間性に欠く言動が多い彼でしたがラストは感動させられましたね。

 

・アランを演じるベネディクト・カンバーバッチがすごい!

カンバーバッチはアランを演じる際に今回の舞台であるブレッチリー・パークについて調べたり、アランを実際に知る人から話を聞いたりもしたというM役への没頭ぶりが伺えます。そして、男女平等とは言えない世情の中でアランがジェーンを対等に扱っていたことについて、アランは「内向的で温かさを持つ人だった」と語っており、それがラストの涙を流すシーンにもつながっているのだなと感じさせました。

 

 

3.おすすめしたい関連作品

アランのキャラクターが気に入ったなら海外ドラマの『SHERLOCK/シャーロック』も同じミステリー作品としておすすめですね。今作と同じくベネディクト・カンバーバッチが主演でシャーロックを演じ、アランより嫌味さを上げて人間味を捨てさせたような人物ですがその賢さは折り紙付き!推理模様も楽しめることでしょう。

また、戦争映画を見たいなら『ダンケルク』、『戦場のピアニスト』も戦う者や戦争に翻弄された人物たちの描写が見れるためおすすめです。

 

映画『イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密』 主な登場人物(日本語吹替)とスタッフの紹介

キャスト

アラン・チューリング – ベネディクト・カンバーバッチ 吹替:[三上哲]

若き日のチューリング – アレックス・ロウザー

ジョーン・クラーク – キーラ・ナイトレイ 吹替:[佐古真弓]

ヒュー・アレグザンダー – マシュー・グッド 吹替:[福田賢二]

ロバート・ノック刑事 – ロリー・キニア 吹替:[こねり翔]

ジョン・ケアンクロス – アレン・リーチ 吹替:[中林俊史]

ピーター・ヒルトン – マシュー・ビアード 吹替:[入倉敬介]

アラステア・デニストン中佐 – チャールズ・ダンス 吹替:[有本欽隆]

スチュアート・ミンギス少将 – マーク・ストロング 吹替:[てらそままさき]

ジャック・ゴールド – ジェームズ・ノースコート(英語版)

スタール巡査部長 – トム・グッドマン=ヒル 吹替:[佐々木薫]

スミス警視 – スティーヴン・ウォディントン吹替:[土屋直人]

キース・ファーマン – イラン・グッドマン 吹替:[佐治和也]

クリストファー・モーコム – ジャック・バノン 吹替:[中尾智]

ヘレン – タペンス・ミドルトン 吹替:[内野恵理子]

ウィリアム・ケンプ・ロウサー・クラーク – デイヴィッド・チャーカム

 

スタッフ

監督
モルテン・ティルドゥム
原作
アンドリュー・ホッジェズ
音楽
アレクサンドル・デスプラ
脚本
グレアム・ムーア
製作
ノラ・グロスマン
イドー・オストロウスキー
テディ・シュウォーツマン

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