アガサ・クリスティの名作が映画になって甦る!オリエント急行の列車にて名探偵ポアロが頭を悩ました難事件とは…?彼と一緒に考えつつ、一度見たら改めてもう一回見たくなる謎解き・ミステリー作品のまずはあらすじから紹介しましょう。
『オリエント急行殺人事件』ってどんなストーリー?
『オリエント急行殺人事件』映画のあらすじ
エルキュール・ポアロは事件を解決した帰りに豪華な寝台列車である「オリエント急行」に乗車して不可解な事件に巻き込まれます―ポアロは列車にて個室やレストランを利用しつつ、食事中にラチェットが声をかけてきたため話を聞きます。彼は何者かに命を狙われていると言って護衛を頼みたいというのですが、ポアロはそれを断りました。
その夜、ポアロが寝ているとラチェットの部屋から音が聞こえたことで何度か目を覚まし、何事も無いことを確認して夜が明けましたが雪の影響で列車がトンネルを手前にして止まってしまったのです。そして、ラチェットの姿が無かったことで部屋に行くと、そこには彼の遺体が…ポアロは密室殺人として捜査を進めます。
12か所の刺し傷があり、いくつか証拠らしきものも見つけますが犯人の特定はできず…ポアロは犯人が分からないことから頭を悩ませますが、ラチェットは仕事での取引上の敵も多く、外部からの暗殺だったかもしれない…そして、乗客に彼を殺す動機を持つ者がいるのか―?
そんな中、乗客に話を聞いてアリバイを確認するポアロは、ラチェットのお金を横領している者や、他にも”デイジー・アームストロング”という子供に関連性があるのではと推理し始めます。しかし、デイジーは誘拐されて殺されており、両親も亡くなっていたことから一家に関わりがある乗客たちには動機があると判断するのでした。
ですが、車掌のピエールが見張りをしていた際に廊下で「誰も見かけなかった」と言って全員のアリバイを証明します。そして乗客のメアリに疑いがかかった際に、彼女を守ろうとしたハードマンはポアロに銃を向け、2人は自らが犯人だと自白。それでもポアロは列車の外で乗客たちに推理を語ります。
犯人は乗客全員だと動機や犯行について話したポアロ…列車が動くようになり警察にはその推理は明かさず第3者による犯行だったと話すのでした。
『オリエント急行殺人事件』映画のネタバレ・解説
12回刺された傷、睡眠薬を盛られたラチェット、止まった時計、ハンカチには”H”の刺繍…つながらない推理のパーツでしたが、ポアロがラチェットの部屋にあった紙片から”デイジー・アームストロング”という名前を発見したことで捜査が進んでいくのです。
デイジーはアームストロング大佐の娘であり、子供の頃に誘拐された事件がありました。そして、体さ派身代金の20万ドルを渡したのにもかかわらずデイジーが殺されてしまったのです。そして、事件の容疑を掛けられたメイドが自殺し、デイジーの母もその悲しみから亡くなり、大佐も自ら命を絶つという悲惨な結末を迎えていました。
そのデイジーを誘拐した犯人がラチェットであり、彼へ復讐すべく集まった乗客たちは、一人ひとりラチェットを刺して殺したため刺し傷が12か所あったのです。しかし、彼らにとってポアロが乗車したのは計画外の出来事。綿密な打ち合わせはできなかったため、車掌のピエールが見張っていたというのが嘘だったり、ハバード夫人の「何者かに刺された」という演技は第3者の犯行であると示しつつも急遽行ったものでした。つじつまの合わない不可思議な出来事や証拠は、ポアロにとって「なぜ?」となることで難解になっていったのです。
ポアロは「全員が犯人」と推理して、最後には彼らにそれを語りましたが警察に突き出すことはしなかった…悪人だったラチェットが殺され、その真犯人が明るみに出ることはありませんでした。
12人の容疑者の紹介とデイジーとの関わり
乗客の現在の職や地位を紹介し、デイジーとどんな関係があったかも記載します。
・ピエールは車掌。死んだメイドの家族。
・ゲアハルトは教授。冤罪で死んだメイドの恋人。
・アーバスノットは医師。大佐と関わりがあった。
・マルケスは同じく運転手を務めた。
・ハバード夫人は女性的な魅惑を持ちラチェットの隣室にいた。デイジーの祖母。
・ドラゴミロフ公爵夫人は愛犬と共に列車を訪れた。デイジーの名付け親。
・エレナは伯爵夫人。デイジーの叔母。
・ヒルガルデは公爵夫人のメイド。アームストロング家の料理人を務めていた。
・ヘクターはラチェットの秘書。彼の金を懐に入れていたが、デイジーの誘拐事件の際の検事の子だった。
・エドワードはラチェットの執事。病で余命がわずかであり、大佐の部下だった。
・ピラールは宣教師。デイジーの乳母であり、お酒を飲んでいた夜にデイジーがさらわれてしまって後悔している。
・メアリは家庭教師。デイジーにも教えていことをポアロに追及された際には「仕事を得る上で隠しておきたかった」とも話していた。
おすすめしたい関連作品
『オリエント急行殺人事件』の原作者であるアガサ・クリスティの実写化作品として、2019年に公開された『アガサ・クリスティー ねじれた家』も関連作品としておすすめですよ。グレン・クローズ主演なのもポイントです。
電車×謎解きを楽しみたいなら『トレイン・ミッション』もいいかもしれませんね。ニーアム・リーソン演じる主人公が挑む謎はいったい…?意外な展開とスリラーを楽しめるでしょう。
また、続編として『ナイル殺人事件』が2020年に公開予定とのこと…今作に引き続き、楽しみになりそうです。